高飛舎blog

京都を拠点に女の道を究める者の集う場・高飛舎のblog。映画感想や女の道を語るメンバーのよもやま話など。
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | | - | - |
「欲望のあいまいな対象」監督:ルイス・ブニュエル(1977年)
柴田:えー、「女の道を究める」というのが
   この「高飛舎」という集いの狙いなのですが、
   男に対している女はどんなんやねんということで
   巨匠・ブニュエル作品を見ました。

   これ、いろいろ凄いんですけど、ブニュエルの遺作なんですね。
   最後まで色っぽいおじいさんだったんですね。

   で、凄いのは、ヒロインがニ人一役。
   タイプの全く違う女優二人が一人の役を演じている。
   何の説明もなく女優がコロコロ入れ替わる。
   ・・・これはねぇ、観客の男の人は「一粒で二度美味しい」って感じで
   得した気分になるでしょうね。
   違うタイプのヒロインをひとつの映画で楽しめるんだから。

   なんでこんなアイデアが生まれたかというと、
   はじめは一人の女優をヒロインにして映画を撮り始めたらしいんですが
   その女優では役を演じきれないということが途中で分かり、
   でも取り直すお金が無いということで
   もう一人の女優を加えたという・・・
   そんな台所の事情から生まれたアイデアが、
   「女の二面性を視覚的に表現している」と評価されている。
   たしかに。面白いアイデアです。   


欲望のあいまいな対象
欲望のあいまいな対象
「欲望のあいまいな対象」監督:ルイス:ブニュエル(1977年)
出演:フェルナンド・レイ, キャロル・ブーケ, アンヘラ・モリーナ 他
美しい小間使いに魅せられた紳士が体験する
女の二面性の不思議を描いた巨匠ブニュエルの遺作。
キャロル・ブーケとアンヘラ・モリーナが異色の2人1役に挑戦している。
(「DVD NAVIGATOR」データベースより)


 ブルジョアの紳士が若い処女の女性に惹かれて振り回される。
 男って女に幾度騙されても、拒まれても、こうも惹かれてしまうものなの?と
 なんだか男の人が気の毒になってしまいましたが、
 後日、谷崎潤一郎氏の小説「痴人の愛」を読みまして、
 おおお、なんだかブニュエルのようだ、と思ったのでした。


痴人の愛
痴人の愛
谷崎 潤一郎


 これもなかなか大変な小説でして、やっぱりちょっと収入のある青年が
 15歳の少女を自分好みに躾けようとするんだけど
 のちのち彼女に振り回されるという。

 この「痴人の愛」を読んで、ちょっと男の心理を知りました。
 はじめ、少女の純真さに惹かれて、彼女に「騙されたふり」をするのですが
 だんだんほんとに騙されて、本気になってもかなわないほど
 女(成長した少女)が力を握ってしまっていた、となる。
 
 そう、男は女より理論的で客観視も出来るでしょうから
 女の行動や考えは予見してたりもする、
 でも分かっちゃいるけど惹かれてしまう、という。

 「痴人の愛」でも「欲望のあいまいな対象」でも、
 男は女に傷つけられるのに、最終的には別れていない。別れられない。
 ・・・大変ですね〜。

 ブニュエルも谷崎潤一郎も「足フェチ」という共通項があるようです。
 ともに太腿というより女の足先がお好きなようです。
 男の人が女の何処を見てるか・・・わかんないもんですね〜
 女は注意して足先まで綺麗にしておかねばなりませんなぁ。
  
| 柴田洋子 | 4.5畳映画館(洋画感想) | 22:40 | comments(0) | - |
「並木道」監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ(1960年)
柴田:ジュリアン・デュヴィヴィエ監督は有名ですが
   私はまだあんまり見たことないです。
 
   でも、あのごつごつしたお顔の名優ジャン・ギャバンを
   見出したという点でも
   人を見る目は凄かろうと思いましたので
   この映画も良さそうだな、と思ったのでした。


 ※ネタバレスミマセン。


並木道

「並木道」監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ(1960年)
出演:ジャン=ピエール・レオー、モニク・ブリエンヌ 他

ストリッパー、ボクサー、画家など
パリのモンマルトルのアパートの住人たちの人間模様を、
思春期の少年の目を通して描く人間ドラマ。



青春モノといったら、ジャン=ピエール・レオーですね!
彼の薄い唇のへのじ口な感じは、
青年の繊細さを思わせてくれます。

この映画、男の誇りについて考えてしまいました。
どんな状況でも誇りを失わないレオーは
貧乏しても盗みをしても、「男」です。


女は男の誇り高さに弱い。

元ボクサーだった男が祭りのイベントでかつての敵と戦った。
イカサマされて負けちゃうけど、試合後に相手をボコボコにする。
その姿を見たダンサーが男に惚れて、二人は恋人どうしに。

しかし元ボクサーはその後ジムにも行かず、働かずの生活。
女は男に「出てって!」というが「やっぱり行かないで」とすがる。
歳をとりつつあるダンサーには、男の存在が彼女の誇りとなってるのだ。


レオーは誇りを失わない。
デート費用の金策にまわるが、お金の前には彼が嫌う人が立ちはだかる。
父親に金を借りに行ったシーンで、
レジ前に継母が座っている姿は、まったく見事に疎ましい。

ホモの芸術家に頼まれたヌードモデルの仕事も
下半身は決して脱がなかった!

ところが彼の恋人マリエッタは、レオーが金策してると知らず
待ちぼうけを食わされて別の男とデートしてしまう。
それを影からみるレオー。
が、彼女が守るべき唇を、その男に許すのを見たとき
レオーは怒り狂うのだった。


しかししかし、決して悲劇に終わらない。
レオーは駆けつけた父によって誇りを取り戻し微笑む。
希望を見せて終わってくれるあたり、監督の優しさを感じた。
| 柴田洋子 | 4.5畳映画館(洋画感想) | 23:00 | comments(0) | - |
「ブローニュの森の貴婦人たち」監督:ロベール・ブレッソン(1945年)
柴田:
何の予備知識もなく借りてきました。

フランス映画でモノクロというだけに惹かれたんですが
台詞を書いているのが詩人のジャン・コクトーというので
ちょっと興味あります。


 ※ネタバレあり。でも実際映画見たら印象違うかも。是非ご覧下さい。


ブローニュの森の貴婦人たち ◆20%OFF!
「ブローニュの森の貴婦人たち 」監督:ロベール・ブレッソン 1945年
 出演:ポール・ベルナール マリア・カザレス
    エリナ・ラブルデット リュシエンヌ・ボゲール

恋人・ジャンを試すために別れを告げたエレーヌだが、
期待と裏腹に別れを承諾されてしまう。
裏切られたと感じたエレーヌは復讐するため
娼婦まがいの踊り子・アニエスとジャンを引き合わせ、
恋に落ちるよう仕向けるのであった。



エレーヌ演じるマリア・カザレスの存在が美しいので
はじめ10分見ただけでも、いい映画だなぁと思わされた。

なんでしょ、この、感情を表に出さない感じ。
口をきゅっと結んで口角だけで微笑む感じ。
でも涙を流している様とか、凛として美しい。

また、やはりコクトーの台詞がいちいち気がきいている。
文学的でした。
書き出してもいいくらいの台詞が散りばめられていたと思う。


ストーリーはたわいなくもおそろしい、女の復讐のお話。

振られたからって、男を踊り子と結婚させるなんて・・・。
しかも用意周到で、踊り子・アニエスは素直な子なのよ・・・。
嫉妬っておそろしい。

好きな男に別の女の子をけしかけるところは
ちょっとマゾヒスティックだけど、
男や女の子の人生を考慮しない態度はサディスティック。

結局、エレーヌがしかけた「世間体まるつぶし」作戦は
ジャンがアニエスの過去をも受け入れる気持ちになったことで失敗だが、
アニエスが死んじゃったのでジャンを苦しめる意味では大成功。

しかし、人間って、アニエスのように失神3回で
衰弱して死ねるものなのだろか。
(あれ、死んじゃったんですよね?ちがうか?)
「踊るために生きたいのに生きるために踊らされてきた」アニエスは
まんまと踊らされて死んでしまいました・・・って、そんな・・・

ラストで見事にメロドラマとなっております。
私はメロドラマ好きですんで、良かったです。



| 柴田洋子 | 4.5畳映画館(洋画感想) | 22:21 | comments(0) | - |
「アンナ・カレニナ」出演:グレタ・ガルボ(1935年)と「アンナ・カレニナ」出演:ヴィヴィアン・リー(1948年)
柴田:
トルストイ原作の映画化がされていますが、
私は原作を読んだことないです。

で、純粋に映画を観ただけの感想を、
ガルボ主演のとヴィヴィアン主演のとを述べてみたろかな、と思います。

まず、ガルボ主演の「アンナ・カレニナ」を観ました。


アンナ・カレニナ
「アンナ・カレニナ」監督:クラレンス・ブラウン(1935年)
          出演グレタ・ガルボ フレデリック・マーチ 他 

高級官僚・カレーニン伯爵を夫に持ちながら、
青年将校ヴロンスキーとの激しい恋に身を投じていく女性アンナの生き様を描く。
ロシアの文豪トルストイの代表作を、
神秘的な美しさを誇るグレタ・ガルボ主演で映画化。 (楽天ブックスより)



なんか、アンナはブロンスキーに積極的に言い寄られ、
愛する息子とブロンスキーの板ばさみになって苦しみ、
結局ブロンスキーと駆け落ちするがブロンスキーに去られて
鉄道自殺する、という話のように見えました。

ガルボは美人で一目惚れされるという設定にも説得力があり、
からっとした母親で、息子にも慕われるという、
愛を知った強い女のようでした。
  
アンナは最愛の息子を捨ててまでブロンスキーを選んだのに、
ブロンスキーは若くて、次第にアンナの愛だけでは満足できず
アンナを置いて軍隊へもどる。で、アンナは自殺してしまう。
とっても徹底的にメロドラマでした。
私はメロドラマは好きな方です。


後日、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の「アンナ・カレニナ」を見ました。

アンナ・カレニナ
アンナ・カレニナ
監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ (1948年)
出演:ヴィヴィアン・リー 



アンナの精神的なところが描かれています。

夢で死のイメージがつきまとってっくる、というエピソードが
深みを出していて怖かったです。

また、夫がアンナにいう「理解できない」という言葉は
最期にアンナが愛人・ブロンスキーにも呟かれる。
「理解されない」「理解できない」アンナの孤独が印象的です。

しかもガルボ版ではアンナは息子に愛されていたけれど
ヴィヴィアン版では息子にもあんまり愛されてない。

義姉はアンナに理解を示し、「私は永遠に貴方の味方よ」といい、
アンナが不倫の恋に走ってもアンナを温かく迎えてくれる。
でも、義姉は人生を楽観的に過ごせるけど
アンナは悲劇的にしてしまうので、決定的に二人は違ってしまっている。

・・・こうなったら自殺の思いに取り付かれてしまうのも納得・・・

ヴィヴィアン・リー演じるアンナは、繊細でウサギのように弱い。
彼女の不幸は、息子と会えないとか、周囲に蔑まれているとか
そんな表面的でないところにあることが実に良く描かれていた。

ヴィヴィアン・リーは精神を病むほど思い悩む繊細な演技が素晴らしい。



こういう、より深みのでたリメイクは見た甲斐がありますね。

| 柴田洋子 | 4.5畳映画館(洋画感想) | 12:39 | comments(0) | - |
「クリスチナ女王」出演:グレタ・ガルボ 1933年
柴田:DVDの普及で、クラシック映画を観やすくなった。
   ワゴンセールで¥390とかで売られる時代ですよ。
   いやー、たまげる。

岡崎:そんだけ安かったら、暇なときにでも
   ちょっと名作観てみよかってなるもんね。

柴田:そんでね、絶対グレタ・ガルボの再評価が高まってると思うん。
   ガルボの映画、めっちゃDVD化すすんでるん。

岡崎:著作権費用とかの障害あんまりないんですかね。
   監督の名前は知らん人ですもんね。

柴田:ガルボ、美人ですよ。
   イエローモンキーの歌詞でもでてくるほど。 
   ♪「紅茶のおいしい喫茶店 ななめ向かいのガルボ似〜」♪
   こりゃ、見た方がいいよ。


  ※ネタバレあるかも。

クリスチナ女王
「クリスチナ女王」監督:ルーベン・マムーリアン(1933年)
         出演:グレタ・ガルボ ジョン・ギルバート 他
 
1632年、30年戦争中のスウェーデン。
快進撃を続けていた国王が戦いで命を落し、
6歳の王女クリスチナ(グレタ・ガルボ)が王位を継承する。
以来クリスチナは男勝りな麗人として、
勤勉に政務を勤め上げていた。
お年頃になったクリスチナは、
スペインのアントニオ(ギルバート)と恋におち、
女王としての立場と女としての人生に悩む。
結局王座を捨ててギルバードと国外へ行こうとするが
ギルバートは決闘で殺され、クリスチナはひとり船で行く。



岡崎:あー、かっこいい。
   男装してカラカラ高笑いするガルボ、かっこいいね。
   でもいくら男装してるからって、
   彼女を男と思い込むアントニオは、ちょっとアホやなぁ。

柴田:アントニオ役のジョン・ギルバート、
   ガルボの婚約者やってんて。
   結婚せえへんかったけど。

岡崎:え!あのちょび髭・・・
   
柴田:そらこら。それは時代のせいよ。

岡崎:男装かっこいいー。
   臣民がガルボの恋愛に文句言いに詰め寄ってきたとき
   自分は王の娘で統治のコツを教わって、務めを果たすだけだって
   言い切ってんの。かっこよかったで。

柴田:王座を捨てて男を選んだのに、その男が死んじゃって。
   どうする?あんたやったら。

岡崎:えー。すぐ国に戻って、臣民に「ごめんごめん」って誤まったら
   また女王に戻れるやろか?

柴田:そんな簡単にいくかいな。

岡崎:えー・・・どうしよ?ひとりで生きていけるやろか。

柴田:恋人を殺した元カレの方にいくとか(笑)

岡崎:えーーーーー!!!絶対いや!!!
   何してくれてんねんって感じ。
   
柴田:やっぱ、前向きに進んでいきますか。
   
岡崎:そうですよ。自由の身になったんやから。
   またあたらしい恋もできますよ。ちょび髭じゃない恋人が。
| 柴田洋子 | 4.5畳映画館(洋画感想) | 12:21 | comments(0) | - |
『つばさ』 監督:ウィリアム・A・ウェルマン
柴田:マクドナルドの100円商品はなかなか良いですねぇ。 
    私なんかアップルパイが好きなんで、単品で100円は嬉しいなぁ。

岡崎:だからって3つも買わなくてもええやん。

柴田:一人で食べます。3つとも。

岡崎:太るで。

柴田:そう!身体に悪いものはうまい。中毒性があるなぁ。もぐもぐ。

岡崎:今日の映画はなんですか。アップルこぼさんと教えて。

柴田:今日はなんと、第1回アカデミー受賞「つばさ」です。
    マクド同様バリバリのアメリカ商品って感じね。

岡崎:へー。アカデミー賞は1927年からですか。

柴田:そう。第1回作品はサイレント映画ですぞ。

つばさ
つばさ
クララ・ボウ


『つばさ』 監督:ウィリアム・A・ウェルマン
 出演:クララ・ボウ チャールズ・"バディ"・ロジャース ゲイリー・クーパー 他  1927年


wing
 

岡崎:おおおおお、あらすじ適当!

柴田:めんどくさいねん。まあ、だいたいこんな感じの話ですわ。
    時代は第一次世界大戦の頃ね。

岡崎:ゲイリー・クーパーの名がキャスト名に載ってるけどめちゃちょっとだけ。

柴田:でも後に人気が出たから、ちゃんとクーパーが出たときに字幕で紹介されてたね。

岡崎:サイレント映画やからとか思って、最初低予算映画かと思ったけど
    戦闘シーンの規模はでかかってびっくりした。
    火薬バンバン爆発してたね。さすが、アカデミー賞はこの流れをくんでるんやなぁと思った。

柴田:戦争映画って感じやなぁ。「アメリカ軍いけいけドンドン」やったね。

岡崎:ネタバレトークしますけど。
    死んだと思ったデヴィッドが実は生きてて、
    命からがらナチスの飛行機奪って逃走して、
    ジャックが普通に敵機やと思って撃っちゃうの。
    戦争の悲劇ってやつね。

柴田:ね。結局ジャックは実態のようわからんナチスのマークを撃ってただけなんやろ。
    そこで戦争の虚しさを感じさせるのかと思いきや、
    デビッドはジャックに「おまえは敵を撃ったのだからいいんだ」みたいなこというやん?

岡崎:軍の仲間も「それが戦争だ」って言ってたね。

柴田:で、親友を殺してからのジャックの苦悩の人生が語られるでなく、
    田舎で平和に幼なじみのメアリーと結ばれました。ハッピーエンド。

岡崎:うーん。

柴田:ちょっとやっぱりなんか感覚があわんなぁ。
    アメリカのこわさを感じたんやけど。
    戦争の悲劇が語られても、「戦争はあかん」となるわけでなく
    「早く敵を殺して平和に暮らそう」となるわけね。

岡崎:しかもまた、これ、戦争時代やったからこういう戦争映画がつくられたんやって一瞬思ったけど
    考えてみたらアメリカってずっと戦争してるもんね。

柴田:今も戦争してるやん。戦後60年とかいう発想じゃないもんな。

岡崎:むむむ・・・

柴田:動くクララ・ボウが見たくって借りてきたんやけど。この映画。

岡崎:クララ・ボウは可愛かったよ。オメメぱっちりで。

柴田:20年代のスター、マリリン・モンロー以前のセックスシンボルだそうな。
    画像が古すぎて、顔が白飛ばしになりすぎてたのが残念!

岡崎:でも軍服姿とか、今見てもキュート!


| 柴田洋子 | 4.5畳映画館(洋画感想) | 00:00 | comments(0) | - |
『極楽特急』 監督:エルンスト・ルビッチ (1932年)
岡崎:柴田さんって凝り性よね。

柴田:そうお?

岡崎:「おにぎりせんべい」が好きやったらいっつもおにぎりせんべい食べてるし、
    鶏肉好きやからって手羽先の骨の髄まで食べてるし。
    ビックリするで。鶏のもも肉食べてたら骨までバリバリと食べ出して。

柴田:軟骨すきやねん。

岡崎:で、映画となったらルビッチばっかり。

柴田:あますとこなく見尽くしたいね、ルビッチ。
    やはりその語り口に慣れてくると面白さが増すからね。
    ルビッチ、いいよ。もっと現代でも名が広まればいいのに。
    私、ルビッチキャンペーンをやりますよ。

極楽特急【字幕版】
極楽特急【字幕版】
ハーバート・マーシャル


 【極楽特急】 監督:エルンスト・ルビッチ
 出演:ミリアム・ホプキンス ケイ・フランシス ハーバード・マーシャル 1932年

ホテルで知り合った大泥棒のガストン・モネスク(マーシャル)とリリー(ホプキンス)。
香水会社社長の大金持ちの未亡人・コレ夫人に狙いをつけた二人は、秘書として彼女のお屋敷へ侵入。
しかしコレ夫人がガストンに惚れて、事態は急展開。
嫉妬したリリーはひとりでコレ夫人の財産を盗もうとする。
ガストンとリリーが泥棒だと知ったコレ夫人は二人を見逃してやる。




岡崎:このリリー役の女優さんは前見たルビッチの作品にも出ていたね。

柴田:ミリアム・ホプキンスね。可愛らしい。「生活の設計」のときも良かったけど、これも可愛らしい。

岡崎:表情がコミカルでいいわ〜。ガストンとリリーの盗み合いのシーンの表情とか。

柴田:うんうん。ああいうシーンを撮るルビッチのお洒落でユーモアある才能が好きよ。

岡崎:リリーに対してコレ夫人は、やっぱり色気があって、そりゃガストンもちょっと目移りするわな。

柴田:コレ夫人、たれ目やもんね。たれ目の人羨ましいよ、なんか色っぽいもん。

岡崎:それは柴田さんがキツ目やからよ。ないものねだりよ。

柴田:キツ目ってなによ。キツネ目とかツリ目とか言われるけど。

岡崎:やっぱガストンはコレ夫人に惚れたんやろか?
    でも自分は泥棒でコレ夫人の愛を受けるわけにはいかないから
    同じ泥棒であるリリーと去っていったんやろか。

柴田:そんな深刻なテーマはないんちゃう?ラストのガストンとリリーはほんとに仲良く楽しそうやし。
    いや、ガストンとコレ夫人のことは所詮浮気よ。
    ガストンはそれまで苦労を共にしてきたリリーの元に戻るのは自然よ。

岡崎:ほほー、男の浮気事情には何か主張がおありのようで?

柴田:そんなんちゃうけど、ガストンにはリリーしかいないって。最高のパートナーよ。
    コレ夫人がなんぼ金持ちで色っぽくたって、パートナーとしてずっと一緒にいられるってことにはならないよ。 

岡崎:ほうほう。

柴田:だって、これ、ラストにリリーとガストンが元の通り仲良くならんと話終わらんかったでしょ。

岡崎:そうやね。コメディーに倣うほうが人生は幸せよね。うんうん。  


 

| 柴田洋子 | 4.5畳映画館(洋画感想) | 00:00 | comments(0) | - |
『街角〜桃色の店〜』 監督:エルンスト・ルビッチ (1940年)
柴田:昔はねー、ちょっと悪そうな男性が好きだったんですよ。ちょっと危険な雰囲気の漂っている・・

岡崎:ほほう、例えば?

柴田:例えば・・・布袋寅泰。

岡崎:悪そ〜。めちゃ悪人顔。

柴田:アラン・ドロンとかね。

岡崎:ああ、ちょっと屈折してて陰があって男としての危険な香りがする、ちょっと怖い、でも好きって感じ?

柴田:そうそう。でもだんだん落ち着いてきてね、清潔そうで好青年がいいなと思うのよね。

岡崎:ふんふん。

柴田:で、今日の映画の主人公演じるのはジェームズ・スチュアート。
    淀川長治さんは彼をこう紹介していますよ、「明るく強いアメリカ映画を象徴する清潔な青年像」。


世界名作映画全集131 街角桃色の店
世界名作映画全集131 街角桃色の店
ジェームズ・スチュアート

 【街角〜桃色(ピンク)の店】 監督:エルンスト・ルビッチ 
  出演:ジェームズ・スチュアート、マーガレット・サラバン 1940年

 雑貨屋主任のクラリックス(ジェームズ・スチュアート)は
女店員(マーガレット)といつも喧嘩ばかり。
 彼の唯一の楽しみは、ペンフレンドの女性との手紙のやりとりだったのに、
 彼女との初対面の待ち合わせ場所に行って見ると、
実は喧嘩相手の女店員だったというラブ・ストーリー。




 岡崎:背が高くてひょろっとしていて、ちょっと猫背で、かっこいいね、ジェームズ・スチュアート。
     バイト場の岡本君に似てる。・・・ていうくらいなんか身近な雰囲気ね。

 柴田:淀川長治さんの本を参考に見ますと、ジェームズ・スチュアートはこのヒロイン役のマーガレット・サラバンに
    恋をしていたけど、マーガレットはヘンリー・フォンダと結婚しちゃったんだって。
    マーガレットはフォンダと3年で別れて、そのあとウィリアム・ワイラー監督と結婚するも、
    これまた2年で別れて、舞台プロデューサーと結婚したのに49歳の時自殺。

 岡崎:ひえー。壮絶人生。有名人ばっか旦那に持ったのに幸せになれへんかったのね。

 柴田:ジミー(ジェームズ・スチュアート)が初恋の人と共演しているわけですよ。この映画は。

 岡崎:ま!ラストのキスシーンなんかはさぞや感無量であったことでしょう。

 柴田:この映画とおんなじ原作で『ユー・ガット・メール』ってのが作られたみたいですが。

 岡崎:ああ、トム・ハンクスとメグ・ライアンの映画やね。はは〜ん、ペンフレンドをメル友という設定にしたわけやね。
 
 柴田:メールのコミュニケーションは凶悪事件とかあって、あんまりよくないみたいな意見がありますけど、
     昔の文通も似たようなもんやんねぇ。ちょっと誇張して自分を良く言ってみたり、相手を美化して妄想したり。

 岡崎:ね。会う前に文通で婚約までするなんて。

 柴田:そないにうまいこといくかいな、と思ったりするけど、ここまでうまいこといくと清々しいな。

 岡崎:二人の恋の話が本筋で、そのサイドストーリーですけど、
     雑貨屋の社長が自分の奥さんの浮気相手がクラリックスやと勘違いして、
     彼を冷遇した挙句解雇するやん?雇われの身はつらいなーと、
     そんな変なところに共感なんかしてしまいました。
     小間使いの男の子もさ、新しく入ってきた子のほうが社長に温かく接してもらわれてさ。
     ほんと、大変よ。勤め先と合う合わないは運よね。人間関係はむずいわ。

 柴田:あと、個人的にクラリックスの同僚で、『ニノチカ』に出てきたおもしろ3人組のひとりを演じた役者さんが
     出ていてなんとも嬉しかったです。
     ルビッチ作品を幾つかみてきたから楽しめるというわけで、得した感じです。

 

| 柴田洋子 | 4.5畳映画館(洋画感想) | 00:00 | comments(0) | - |
『生活の設計』 監督:エルンスト・ルビッチ (1933年)
柴田:「世紀の顔」とまで言われた美貌の持ち主の大女優グレタ・ガルボは大の映画好きで、
    ルビッチとシュトロハイムの作品は1本も見逃さなかった。
    また、ゲーリー・クーパーのファンでクーパーの出る映画は必ず見に行ったそうな。

岡崎:ふむふむ。ガルボ事情に詳しいですね。

柴田:ふふふ。私、ガルボの本買いましたの。これ!
   「シネアルバムグレタ・ガルボ マレーネ・ディードリッヒ 世紀の伝説 きらめく不滅の妖星」!!!

岡崎:おおお、ガルボとディードリッヒの写真が!!!かっこいい〜。

柴田:本日の映画はルビッチ監督作品で、かつゲーリークーパー出演の映画です。
    ガルボが映画館にて楽しんだに違いない映画です。

岡崎:ほほう。そのように思いを馳せて見るなんてロマンチックですな。

柴田:・・・まあ、映画はガルボとは全く関係ありませんがね。


生活の設計【字幕版】
生活の設計【字幕版】
ゲイリー・クーパー

  『生活の設計』 監督:エルンスト・ルビッチ  
 出演:ミリアム・ホプキンス、ゲーリー・クーパー、フレドリック・マーチ  1933年

11年来親友の劇作家のトム(フレドリック・マーチ)と画家ジョージ(クーパー)は、
列車に乗り合わせた広告デザイナーのジルダに恋をする。
二人を好きになったジルダは、セックスはしないという紳士協定を結んで
トムとジョージと3人で暮らし始める。芸術家の母のようにトムとジョージを支えるジルダ。
しかしトムが劇作家として認められてロンドンへ行って3人のバランスが崩れたとき、
協定を破ってジョージと結ばれる。
ジョージが画家として出張に行っている間に戻ってきたトムと結ばれる。
ジルダは二人に手紙を残して去り、広告会社の上司と結婚する。しかし愛のない生活に苦しむ。
そこにトムとジョージが彼女を救う。再び紳士協定を結ぶ3人であった。




岡崎:えー、この映画を見て思いましたのは・・・・・・男の友情は可愛らしいな。

柴田:お互いジルダに見栄張ったりする所とか、可愛いな。
   ゲーリークーパーは何か、私が見る映画ではどうもおとぼけな役どころばっかりだな。
   『モロッコ』もそうでしょ、『昼下がりの情事』でもそうでしょ。でもこの映画が一番おとぼけかな。
   背の高いクーパーがキョロキョロ目を動かすのが可愛らしい。

岡崎:ジルダは二股かけてるけど嫌な感じじゃなくってよかった。

柴田:うん。男特有の、同時に複数の異性を愛する感情が女の私に芽生えた、とか何とかいってさ。
   その気持ち、分かる?

岡崎:分かる分かる!!!

柴田:おおお、問題発言。トムとジョージへの愛の違いを表現するのもうまかったね。
   ジョージは麦藁帽みたいでトムはお洒落帽みたいとか。
   愛の感触が全身から指先へ伝わる感じと言うのと、指先から全身に伝わる感じ、
   でも両方耳鳴りはするの、とか。

岡崎:うんうんうん。1人ずつ恋の感覚は違うのよね〜。大福とケーキ、どっちも好き!!!って感じ。

柴田:ただ、普通なら、1人の男の面倒で手一杯なはずなんですよ。

岡崎:ジルダは凄いよね。トムは叱咤して才能を伸ばす、ジョージは褒めて才能を伸ばす。

柴田:両方を芸術家として育てちゃった。

岡崎:ちょっと先にトムの方が大成するじゃない?で、トムが5週間ロンドンに出張しちゃって、
    その間にジョージとジルダが結ばれる。まだ売れてないジョージが言うのよ、「芸術なんてクソ食らえ」

柴田:トムは社会的地位を得て、ジョージが愛を手に入れる。

岡崎:ちょっとドキッとした。どっちが幸せかしらって。

柴田:結局最後までトムとジョージはジルダが好きで、ジルダは二人を好きだった。
    選べないのもまた本音やね。

岡崎:映画はそこで終わってるけど、いつかはまた破られるよねぇ?紳士協定。
   三角関係は皆が了解してたって続くもんじゃないでしょう。人間、独占欲って厄介なものがあるからね。

柴田:・・・ま、つづきは語らなくていいじゃない。


| 柴田洋子 | 4.5畳映画館(洋画感想) | 00:00 | comments(0) | - |
『ニノチカ』 監督:エルンスト・ルビッチ (1939年)
柴田:B・Bはブリジッドバルドー、M・Mはマリリンモンロー、ではG・Gをご存知?

岡崎:わかりません。誰?Gのイニシャルの名前なんかある?ガギグゲゴ・・・?

柴田:スウェーデンの妖精、グレタ・ガルボですよ。

岡崎:ガルボ?お菓子の名前みたい。

柴田:おー、ガルボをご存じない?サイレント末期からトーキー10年の歴史に
    大輪の花を咲かせたガルボ。ガルボの顔は美の規範といわれております。

岡崎:ほー。

柴田:ガルボはルビッチ監督の映画が好きだったらしいんですね。
    全部見ていたらしい。で、ルビッチ映画でガルボが出演したのが
    本日の映画『ニノチカ』でございます。
    ルビッチはラブコメの魔術師と呼ばれた喜劇映画の監督。
    ワイルダーが師として崇めていた監督ですって。
    『ニノチカ』にはワイルダーも脚本家の1人として携わっています。

岡崎:おおお、面白そうやん。

柴田:映画のキャッチコピーは「ガルボが笑う!」というものだったらしい。
    サイレント時代に神秘的な存在として人気を得ていたガルボが喜劇映画に出演するというので、
    ファンはガッカリしたみたいだけど、ガルボ本人はこの映画が一番好きなんだって。


世界名作映画全集124 ニノチカ
世界名作映画全集124 ニノチカ
グレタ・ガルボ

  『ニノチカ』 監督:エルンスト・ルビッチ   出演:グレタ・ガルボ、メルヴィン・ダグラス 1939年

革命で帝政貴族から没収した宝石を売りさばきに、ソ連から3人の局員がパリにやってくる。
その宝石の元持ち主である亡命中のロシアの伯爵夫人は、宝石を取りかえすべく
愛人のレオン(M・ダグラス)に依頼。そこに局員の上司であるおかたい女闘士ニノチカ(ガルボ)が
事情調査のためパリに到着。レオンとニノチカが出会い,ニノチカはパリの自由なムードと
レオンの魅力に酔いしれるが、伯爵夫人の邪魔が入ってニノチカはロシアへ帰国。
ラストは3人の局員の助けでレオンとニノチカはイスタンブールで再会を果たす。




岡崎:おっしゃれ〜でしたねぇ。

柴田:うん。愛を語らう台詞がお洒落でユーモア満点ですね。

岡崎:ガルボの前半の冷徹な女っぷりもかっこよかったし、後半、恋を知ってからの愛らしい様子もよかった。
   うーん。美人ですねぇ。

柴田:サイレント時代はディードリッヒと人気を二分していたそうな。

岡崎:顔のつくりはガルボの方がきれいやな。ディードリッヒは退廃的な雰囲気がかっこいいけど。

柴田:そうそう。そうですねぇ。

岡崎:これ、あらすじで見たら革命とか闘士とか重苦しそうですけど、中身は恋愛メロドラマやね。

柴田:そう、あらすじより語り口ですよ。ルビッチは素晴らしいな。面白いわ。
    あのシーンが好き!あの、ガルボがトイレで演説初めたって聞かされたレオンの反応。
    「な!!!・・・ウイスキーもう一杯」とかなんとか。

岡崎:演説が癖の女って・・・嫌やろねー。

柴田:シャンパンを銃の音に見立てるシーンもかなり良かったね。お洒落。

岡崎:そうそう。全体的に恋のお話をしているところはなんともステキだった。
    でもちょっと時代も感じますね。

柴田:そうね。ニノチカがソ連に帰国したときのソ連の描き方がなんとも。
    共産主義をこんな風に描いてもええんかいなと思うくらいおおざっぱで、
    なんか見ててはらはらするわ。

岡崎:相手役の男の人は口説き台詞もお洒落で確かに色男っぽいけど・・・
    よくアメリカ映画でこういうオールバックでちょび髭の人がかっこいいとされてるよね。
    向こうの人はこういうのをかっこいいとする風潮があるのかな。

柴田:そうね、日本ではちょっと三枚目っぽく見えるよね、ちょび髭。

岡崎:そこだけ、感情移入できひんかったわぁ。レオンがちょび髭でなかったら、もうサイコーですよ。



| 柴田洋子 | 4.5畳映画館(洋画感想) | 00:00 | comments(0) | - |


     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< September 2017 >>

このページの先頭へ