高飛舎blog

京都を拠点に女の道を究める者の集う場・高飛舎のblog。映画感想や女の道を語るメンバーのよもやま話など。
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『乱れ雲』 監督:成瀬巳喜男 (1967年)
柴田:「乱れ雲」を借りてきました。
   成瀬作品なのにカラー映画だということだけで、
   なんかいつもと違うようなハイカラな気がしてどきどきします。 
   役者が司葉子氏・加山雄三氏ということだけでも
   現代的な雰囲気が漂っていますねぇ。


乱れ雲
乱れ雲
加山雄三

『乱れ雲』 監督:成瀬巳喜男 (1967年)
出演:司葉子 加山雄三 森光子 加東大介 土屋嘉男 他

愛する夫・宏を交通事故で亡くした由美子。
事故の加害者・三島史郎は裁判の結果無実となるが、
彼は由美子に示談金を支払うことを約束する。
やがて実家に帰った由美子は史郎と再会するが…。
夫を交通事故で亡くした女と事故の加害者である男の、
許されない愛に揺れ動く心模様を描いた作品。


 まあ・・・なんというドラマチックなメロドラマでしょう。

 由美子(司葉子)にとって、ご主人が事故で亡くなったのが一番の不幸だけど
 これ、加害者の三島(加山雄三)がいい人だったというのも、
 つらいと思うんです。

 三島は事故を起こしたということ以外、本当にいい人なのだ。
 過失がなかったとして公にも無罪になったし、
 示談金を払うと申し出るほど、罪を償いたいと思っている。
 
 困りますね、ほんとに。
 もし詫びる気持ちがあるなら、恨ませて欲しいと私なら思っちゃいます。
 悪人に成り下がって欲しい。

 でも、正義感あふれる三島さんはそうはさせてくれません。
 何かと偶然出会ってしまいます。この二人。
 人間味を感じてしまうと、憎むこともままなりません。
 由美子さんとしては辛かったでしょう。
 
 加山雄三氏演じる三島は、もうびっくりするぐらい強烈に
 太陽のようなポジティブ人間なんですね。 前向きなんです。
 事故は過去として(もちろん謝罪の意は持ちつつ)、
 これから自分はどう償っていくかを考え、
 由美子にもこれから先幸せに生きて欲しいと願う。
 こりゃ正しい考えです。
 事件のことがなくこんな人と暮らせたら、人生明るい。

 しかし、夫を失った由美子にしてみれば、
 過去があってのこれからしか考えられないでしょう。
 なにかの折に、つい夫を思い出す、事故を思い出す。
 過去に浸る、振り返る。

 これじゃ絶対二人は結ばれないだろうと思っていました。
 私は映画の間中、十和田湖の話が出るたびに
 「由美子さん、自殺するんじゃ・・・」と心配していました。
 まあ、由美子さんはしっかりしてて良かったです。
 でも、やっぱりそうか・・・というラストでも胸が痛みました。
 ううむ、つらいですね。
 
 
 若かりし加山雄三氏は、正義感溢れる青年オーラがめちゃ出ていました。
 本当に圧倒的に明るいタイプの人です。
 私は若き加山雄三氏というと「分かりません」という台詞を
 よく言っているような印象がありまして。
 正論通りでないことが起こったとき、理解できないという感じで
 「分かりません」と言うのである。
 人は正しい理屈ばっかり通るわけじゃないということが、ちょっと通じないような
 青年らしい生真面目さのイメージですね。
 迷いが無くて男らしくて魅力的。
 だけどちょっと青い感じが母性本能をくすぐるんでしょうね。

 司葉子さんの清楚で上品で、芯の強い感じの女性像がよかったです。
 いやあ、よかったです。
 オープニングや過去の回想シーンでの無邪気な笑顔から、
 事故を経て、つらい過去を背負ってしまった女の深みのある佇まいが
 なんとも、ぐっときました。
 
 
 

 



 
| 柴田洋子 | 4.5畳映画館(邦画感想) | 11:53 | comments(2) | - |
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成瀬作品に登場する男って、個人的には、女々しいと言うか
情けない?なんか頼りない・・・と評したくなるキャラクターが多いように思えてなりません。
でも、この「乱れ雲」と「乱れる」の加山雄三は例外的で柴田さんの言うとおり前向きで男らしい?爽やか?。しかも母性本能をくすぐる成瀬作品では、異色のキャラクタ−の様な気がします。
この頃の司葉子は独特の美しさがあります、でもこの作品を見る都度に司葉子では無くて デコちゃんならどうなったんだろうと考えてしまうのは、自分だけでしょうか。
| 鯨江堂 | 2007/01/29 8:36 PM |
 鯨江堂さん、こんにちは。

成瀬作品において、高峰秀子氏が出てない作品をみると
「この作品は何でデコちゃんじゃなかったんだろう」と思っちゃいますね。
そのくらい、成瀬=高峰氏コンビの印象が大きい。

キャスティングの際、由美子=高峰氏説はあったのでしょうか。
だとしたら、三島のキャスティングも変わってきたかも知れませんね。
高峰氏と加山雄三氏とだと、やはり「乱れる」のように姉・弟みたいな
上下関係がはっきりしすぎる感がありますもの。

私はまだ高峰氏の作品で見ていないものも多いのですが、
なんとなく、高峰氏の場合、強そうで弱いところもある女性のイメージがあり、
司葉子氏なんかは、弱そうで強いところもあるという女性っぽい印象です。
結構タイプが違う印象なので、由美子=高峰氏バージョンだと
演出もだいぶ違ったものになっかのかな、と考えて、ちょっと興味深いですね。
| しばたようこ | 2007/01/30 9:58 AM |











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