高飛舎blog

京都を拠点に女の道を究める者の集う場・高飛舎のblog。映画感想や女の道を語るメンバーのよもやま話など。
<< 『稲妻』 監督:成瀬巳喜男 (1953年) | main | 『兄とその妹』 監督:島津保次郎 (1939年) >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | | - | - |
『煙突の見える場所』 監督:五所平之助 (1953年)
柴田:五所平之助監督作品を見るのはこれが初めてだと思います。
   なんとなく、タイトルがよさげだったのとキャストに惹かれて
   手にしたのでした。



『煙突の見える場所』 監督:五所平之助 (1953年)
出演:上原謙 田中絹代 芥川比呂志 高峰秀子 他

見る場所によって4本、3本、2本、1本にも見える、
東京・千住のオバケ煙突。
その界隈の安い貸家に住む緒方隆吉と弘子の夫婦は
2階を仙子と健三というふたりの独り者に貸している。
夫婦は仲睦まじく暮らしていたが、
ある日、家に赤ん坊が置き去りにされていた…



 このオバケ煙突というのが面白いですね。
 ひし形に4本の煙突が立っているので
 角度によっては1本にも2本にも見える、というのが意味深い。
 題材として面白いので、かなり有名な煙突だったらしいですけど。

 物語としては、ほぼ緒方夫婦と2階の間借り人・仙子と健三の4人が主なのですが
 面白いなぁと思ったのは、下町の生活で
 誰も他の人がうらやましくない、というか、
 「隣の芝は青く見えない」という感じ。
 
 仙子から見て、下の夫婦は仲よさげだけどちっともうらやましくないし
 仙子の同僚でお金持ちの年上社長と結婚した友人も幸せそうでないし。
 
 緒方家の近所の子沢山家族もなんかうらやましくないし
 宗教で儲けてそうな家族も、なんだかな〜という感じ。

 でも、それぞれ皆それで良いようで、
 どうも端から見ると煙突は4本にみえても本人たちには1本に見えてるのかも、
 といった感じです。それに尽きる。

 
 芥川比呂志氏演じる健三の、
 正義感あふれる悩める青年が可愛らしく、ほほえましい。
 なかなかこのような人物像は現代映画には出てこないんだけど
 50年代くらいの映画ではよく見る感じでしょうかね。
 
 仙子を演じていた高峰秀子氏は、若いのにどこか枯れている人がうまい。
 
 上原謙氏・田中絹代氏のコンビ作品はたくさんあるようで
 私もいくつか見た記憶がありますが
 私の中での田中氏は古風な印象で、
 夫に見せる可愛らしい仕草に少し違和感を感じないではなかったです。
 うーん、文芸作品的な印象が強く、
 軽やかさとかコメディエンヌ的なイメージがないのかな。 
 もっとたくさん田中絹代作品をみるとまた印象が変わるのかも。
 
(追記)
 あ、わかった。
 これまで溝口作品で田中絹代氏を見ることが多く、
 五所監督のようにアップで田中氏を見る機会が少なかったための
 違和感だったように思います。

 田中絹代氏は奥ゆかしい演技が印象的で
 風景の中に佇んだ印象が強かったので
 アップの画面に引っかかりを感じたのです。
 他の五所監督作品を見ていけば馴染むかも。

 こうやって、この本題のように
 見る角度によって印象が変わるってことですね。
 健三に対する仙子の感情である、
 「好きなときもあるし、嫌いなときもある」といった感じで。
 でも最終的には仙子が健三に「愛してる」と感じたように、
 今作品の田中氏のことも、素晴らしく思ったのです。はい。
 
 
 
| 柴田洋子 | 4.5畳映画館(邦画感想) | 11:31 | comments(0) | - |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | - | 11:31 | - | - |











      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< July 2017 >>

このページの先頭へ